春帆楼のふぐ料理の特徴は薄造りにあります。ふぐ一匹々々を目利きし、旨味と歯応えが最良になる瞬間までふぐの身を寝かせます。有田焼皿などの模様が透けて見える程薄く、先端を立たせ、菊花に見立て盛付けます。
春帆楼伝統の薄造り、昆布出汁で野菜と共に熱々のふぐを楽しめるちり鍋、外はカリッと中にふぐの旨味を凝縮させた唐揚げ、ふぐの出汁で作る雑炊とふぐの醍醐味を余す所なく楽しめるのが、春帆楼の王道料理とらふぐコースです。
ふぐ刺しはフグの身の刺身を指します。関西ではフグのことをテッポウと呼ぶことから、テッポウ刺しを略してテッサとも呼ばれております。ふぐの肉は繊維質で弾力があり噛み切ることが難しいため、切り身が透けて見えるほどの薄作りで身を細く包丁で引いて刺身にするのが主流です。ふぐ刺しに使われるフグ肉は、フグを〆てから布を被せて丸1日から2日程度寝かます。これにより肉が熟成されるのです。
ふぐ刺しの盛り方には、大きい円形の大皿に工夫を凝らし、見た目にも楽しめるように盛った鶴盛り、菊盛り、孔雀盛り、牡丹盛りなどがあります。切り身は、箸ですくってぽん酢で食べる方法が一般的です。また、薬味としてもみじおろしなどや葱も好みで使用します。湯引きした後、氷水で冷やし細切りにしたフグの皮が添えられていることもあります。
昆布でとったダシ汁にフグの切り身や骨などと一緒に土鍋季節の野菜とともにいただく鍋料理です。おすすめのだいだいポン酢でや安岡葱などの薬味と一緒にお召し上がりください。
春帆楼では下関に伝わる昔からの食し方を伝承する意味も込めて、ふぐちりで取った出汁とふぐに赤味噌・白味噌の合せ味噌で味付けをしてご用意しております。
春帆楼のふぐ職人が1枚々々丁寧に捌き、掃除し、天日で十分に乾燥させ、こんがりと焼き上げたとらふぐのひれを使用します。風味と香ばしさをお楽しみいただける様、使うお酒は自己主張し過ぎない酸味と甘みのバランスのよい物を選んでいます。
ふぐの身やアラから旨味をたっぷり取った出汁にさらにふぐの身皮を加え、一煮立ちしたところにサッと洗ってぬめりをとった御飯を入れ、あっさりと仕上げます。お好みでぽん酢や赤卸しと共にお召し上がりいただく、〆には欠かせない料理です。
ふぐの皮はゼラチン質で煮込むと水に溶けます。薄めの味付けをして冷やすと、コラーゲンが固まり、ゼリー状になります。
舌の上に乗せた瞬間に口の中に広がる美味をお楽しみください。
春帆楼の主役とらふぐと安岡葱、だいだいぽん酢といった名脇役達を贅沢に一口で味わえるふぐ寿司。にぎり寿司・手まり寿司・巻き寿司・軍艦巻きなどにしてご用意しております。
炭火の遠赤外線により、表面を均一に素早く焼き上げ、中身はふぐの旨味を凝縮して閉じ込めます。ふぐの繊細ながら深い味わいと炭火の香ばしさは、夏の食欲を掻き立てます。
ふぐの味わいを消さないよう薄めの味付けを施し、表面をカリッと揚げた唐揚げは、ぜひ手に持ってお召し上がりください。特に口ばし周りのゼラチン質など骨付き部分の味わいは秀逸です。
白子は、産卵期の1月から3月頃に取れたものが一番美味で、料理人が丁寧に裏ごししたふぐの白子を溶かし、日本酒と合わせ賞味いただく濃厚な味わいの一杯です。
白子はふぐの精巣のこと。表面に振り塩し、遠火でじっくり焼き上げます。表面はこんがり香ばしく、中はトロリとまるでミルクのような食感です。
振り塩と遠火で焼き上げ、旨味を凝縮させた白子を軍艦巻きに。薄く引いた酢橘の上にアクセントの赤卸しを乗せて見た目も美しく仕上げます。